いけばな講座 万年青・花しょうぶ・かきつばたなどの「葉組み」



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万年青の「葉組み」

 万年青は常緑で冬に赤い実をつけること、長持ちすることなど、正月の花材として重宝されました。おもとの葉には、旧葉・新葉の区別、右葉・左葉の区別など細かい約束の書かれたものがありますが、実際にはあまりはっきりとは区別できませんから、葉の形を見て自分なりに取っていけば十分です。流派によってさまざまな役枝名や約束をを決めていますが、まず長短の葉で囲みを作り、その囲みをまた包むように葉を囲み、その後、最初に作った囲みの外、後で作った囲みの内に実を入れるという方法が基本です。
 作例では、1<しん><そえ><胴>を包み込むように丸く活け、その手前を5<うけ>や6<前置><うけ><見越し>などの役枝で囲い、最後に<胴>の手前に正面からのぞくように8を入れて活けあげています。

花しょうぶ・かきつばたなどの「葉組み」

 

 花しょうぶ・かきつばたなどのあやめ科の花は、「葉組み」がとても大切な要素です。それらの花には、「花茎」と呼ばれる花の付いた茎と「組み葉」と呼ばれる葉だけが重なって付いている茎があります。活ける時には「花茎」を差した前後に、それを包むように「組み葉」を入れます。ふつう「組み葉」は一度ばらばらにして組み直しをして整えます。その組み直しを「葉組み」と言うのです。
 一枚一枚の葉にはスプーンのような凹凸があり、刃先には独特に曲がり(「つめ」と言う)があります。「葉組み」する場合、1へこみを「花茎」に向けて「花茎」を前後に包むようにすることと、2「つめ」を向き合わせに葉を重ねること、3、3枚重ねのの真ん中は左右の葉の後ろに置くこと、以上が基本です。これで「出生」にしたがった自然な「組み葉」を再現できるのです。
 流派によっては、かきつばた・いちはつは真ん中の葉を低く「中低の葉組」、花しょうぶは真ん中の葉が高い「中高の葉組」を使うなどと言いますが、根拠はありません。ただ、花も最初に咲く花は葉よりも花を低く、二期目の晩花は葉より高くするといった季節感のルールは知っておいてもいいでしょう。  →水仙の「葉組み」

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