いけばな講座造形いけばな2「花材の造形練習1」



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→(1)「切る・裂く・破く →(2)「曲げる・折る →(3)水仙のしごき矯めと番線矯め

(1)切る・裂く・破く 造形いけばな」の演習として、切る裂く破く曲げる折るなど、「花材に対する造形練習」のさまざまな手法があります。技法例を、葉もの中心にいくつか紹介しましょう。
自由カットの右はらん
Photo2のような方法の他、Photo1のように、四隅をカットし、自然が作り出した形を殺すと、逆に内側の自然の切れ込みの動きが強調されます。
右図のように葉脈にそって
裂くと、はらんPhoto2右のような動きが作れます。

↑Photo1・2 セローム、はらんのカット

↑Photo3 はらん ↑Photo4 くわずいもの葉・すすき
↑Photo5 はらん・チューリップ ↑Photo6 いちじくの葉 ↑Photo7  ばしょう・ガーベラ
さらに何枚か裂いたのがPhoto3の葉らん作例です。Photo4のくわずいもの作例では、内側半分をカットしてすすきをのぞかせています。
Photo5は、チューリップの茎にリボンのようにカットしたはらんを引っかけました。
破く効果をねらったのが
Photo6です。いちじくの葉を破き、裏表を交互に重ねて、前後に並べています。葉の縁を破くのは、葉が持っている自然の動きを殺して、裏表の色や葉脈の表情の違いを引き出すためです。
Photo7は、ばしょうの葉をカットして形を変え、その上下にガーベラを除かせました。ばしょうのような大きな葉は、切ったり裂いたり、破いたりする練習には最適な花材の一つです。
(2)→曲げる・折る  

←Photo8 ニューサイラン ↑Photo9 ニューサイラン、ギガンジウム
Photo8は、は上図の方法で曲げています。中央がたずなこんにゃくの要領、右が裂いて長さを変え足元でひっぱったものです。Photo9は、その作例。

↑Photo10 にしきぎ・ゆり

↑Photo11 えのころ草


↑Photo12 とくさ
   →Photo13 はす

腰、粘りのあるものはそのまま折り曲げます。Photo10は、にしきぎを矯め折りして丸く固め、オリエンタルリリーを加えたもの

Photo11は、えのころ草の折ったもの。
ふつうは曲げられないような花材でも、軸に針金を入れて芯を作ることで曲げられるようになります。 ふとい・とくさのような中空の花材ではよくこの技法を使います。軸の弱いはすや菊なども針金を入れた後、ペンチで素早く曲げればうまく曲がります。(Photo12)
Photo14は、とくさも中空の茎の中にワイヤを通して曲線に曲げています。

(3)水仙のしごき矯めと番線矯め
 
↑Photo18 針金を通す矯め作例


←Photo15 手でしごく矯め
↑Photo16 手でしごく矯め作例。

↑Photo17 水仙の葉に22番線を通す

葉を軽く手でしごく矯め(Photo15) や、葉肉部分に針金を通す矯め(Photo17) があります。上の水仙の作例(Photo16・18) はかなり自由ですが、こうした葉の処理の仕方は古くからあって、しごき矯めや、葉脈にまっすぐな針金番線
(22〜24番くらい)を通しておいて曲げます。外からはほとんど見えません。(なお、水仙葉組みのさいの矯めは、質感保持のため、しごきだめではなく、そっと曲げるだけで行います、それでじゅうぶん表情を作れます。→水仙葉組み)