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花材/はんのき、おとめつばき 花器/呉須染投入(広瀬典丈作) (1)投入の留め方(じか留めとそえ木留め) 広口の花器に剣山などで留める「盛花」に対して、丈が高くて口の小さい花瓶にそのまま枝を入れて、花瓶に持たせて留めるいけばなが「投入」です。 「投入」の枝を留める方法は、基本的には3点を決めるという考え方です。▲ 「投入」では、花器の「挿し口」から外に延びていく枝が、傾いて下に向かうような留め方は、「挿し口」のA点と、枝が花器の中で当たるB点だけで留まってしまいます。 それは花器の外で、枝が下に延びていく第3点(重心C)があるからです。この留め方を「じか留め」と言い、枝を安定させるには、切り口を内壁にぴったり当たるように切るとか、「挿し口」や内壁に当たる部分を矯めるなどの工夫をします。(上右図) 「草もの」の場合には→「根たたき」と言って、根本を鋏の肩の部分や金槌などで叩きつぶして、それを内壁に当てる支えにします。(「根たたき」は、左上Photo右)▲ 一方、枝が「挿し口」から上に向かう場合、ふつうはそのままでは花瓶に留まりません。その時は「そえ木」(足とも言う)を使い、「挿し口」のA点、花器の内壁のB点、「そえ木」の足元が花器底角に当たるD点によって枝を固定します。 「じか留め」で留まる枝の向きを<じか反り>、「そえ木」で留める枝の向きを<そえ反り>としましょう。 ▲ (2)そえ木留めによる枝の角度の出し方 「そえ木」は上Phptoのように双方の枝を割って挟みます。▲ 抜けやすい時や巧く割れないものは輪ゴムで留めるのが便利です。輪ゴムをかけるには、まず片方の枝にかけてから対角に数回回し、最後に他方の枝にかけます。(上Phpto)▲ 「そえ木留め」で留める際、枝の角度の出し方には、方法があります。 まず、いける枝の長さをはかり、水に入る部分を足して、「そえ木」をかませます。そのとき、「そえ木」の長さを少し長めに取っておくと、「そえ木」が長い分だけ枝のB点は花器の上に競り上がり、枝はその分傾きます。傾いた枝をそのまま起こしてきて、求める角度まできたら、「挿し口」のA点から垂直に、枝に当たるA'点までの長さをはかります。▲ それが、「そえ木」の長さの余分を表わします。「そえ木」の根本を、今はかった分だけ切り詰めて入れ直せば、枝は求める角度で留まります。▲ (3)投入の花型 「投入」の「花型」は「盛花」と似ていますが、少し違うところがあって、<しん>の長さは、「盛花」では花器の大きさの2倍でとるのに対して、「投入」では1倍半がふつうです。水に入る部分は別に加えて、さし口から上がその長さになります。<しん><そえ><うけ>の長さの比と角度は「盛花」と同じです。水に入る部分が「盛花」の時よりもかなり多いので、枝の長さをはかる時には、花器の外であてがうような工夫が必要です。左Photo左が正面、右は右側面から見たところ。 「盛花」の「花型」を上から見た図では、<しん><そえ>の前科め15゜、前斜め45゜に少し角度の遠いがありました。しかし、「投入」の図では<しん><そえ>が同じところから平行に出ています。そのほうがいけやすく、出来栄えはあまり遠いません。▲ 「投入」の花型図の「役枝」が曲げて描いてあるのは、その枝の<じか反り><そえ反り>を示すことで、「じか留め」「そえ木留め」の区別を説明するためです。「立真型」では、立っている<しん>が、ふつう「そえ木留め」、<そえ>と<うけ>は「じか留め」で留めます。「十文字留め」などのような花器に枝を仕込む留めは「花型」の基礎では使いません。初めは「そえ木留め」「じか留め」をしっかり覚えるようにしたほうがいいのです。(→基本立真型のいけ方) ▲ (4)「大型花型」・「中型花型」・「小型花型」 「花型」で、<しん>の長さを決める方法は、実は3つあります。花器の寸法の二倍となるのが「大型花型」(左上)、1倍半が「中型花型」(中)、1倍を「小型花型」(右上)と呼んでいます。 一般に、はなを主役にする場合は、「大型花型」を、花器を見せたい場合は「小型花型」を選ぶという考え方がありますが、それとは別に、ふつうの家に飾る大きさと見る人との距離を考えたときの、花器とはなとのバランスとして、「盛花」には「大型花型」、「投入」には「中型花型」を選ぶのが標準的な方法でしょう。上Photoは、左から順に「小型花型」「中型花型」「大型花型」です。並べて見ると微妙なバランスの違いが分かりますね。▲ ぺージ頭に戻るhead↑
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